法人で働くことのメリット 彩の国法務合同事務所 司法書士 林幹人

平成30年3月28日 コラム

法人で働くことのメリット

彩の国法務合同事務所
司法書士 林 幹人

司法書士事務所の仕事は、地元の企業から依頼を受けて商業登記・不動産登記の申請をしたり、個人のお客様から依頼を受けて相続登記を行ったり、最近では、成年後見といった仕事をします。地元に密着した仕事を行い、地域に貢献することが司法書士の仕事で、かく言う私も、司法書士試験に合格して、1年間、地元の個人事務所に勤めていました。個人事務所勤務時代は司法書士として芽が出ず悶々とした毎日でした。おもいきって法人事務所への転職を決意し勤務したのが今の事務所です。小さな事務所では日の目をみなかった私が今生き生きと充実して働ける理由を両社を比較しながら、法人で働くことのメリットについて述べたいと思います。

1、 たくさんの経験を積むことができる
私が勤務している司法書士法人は、個人事務所では到底扱うことのできない数の案件を処理しています。そのため、多くの実務経験をすぐに積むことができます。1~2ヶ月で、個人事務所1年分に匹敵する仕事に関われます。早く一人前の司法書士になりたいと思う方は、法人に勤めることが一番の近道だと思います。

2、 一流の職業人と知り合う機会が増える
法人は多くの案件をこなすため、その付き合いも広く、一部上場企業と取引があります。彼らの仕事は素早く丁寧であり、また、真摯に仕事に取り組みます。彼らの仕事に答えるためには、必然的に私たちの能力も向上させなければなりません。そうした一流の職業人と知り合う機会が個人事務所よりもはるかに多いと思います。
そして、一流の経験は法人に勤めていれば自然と積むことができます。一皮むけた司法書士になることができると確信しています。

3、 自分を磨くことに積極的になれる
法人には、多くの仲間がいます。新しい仲間も次々入り、そして、短い期間で力をつけて、担当を持ち、堂々と仕事をしています。そんな中で、今の自分に満足して仕事をしていると、すぐに追い抜かれてしまいます。常に自分を磨き続けなければ、組織に貢献することはできません。
頑張っている仲間の存在が、自己研鑽の原動力になります。個人事務所に勤めていた時には、与えられた仕事をこなすのみで、さらに研鑽しようという気概に欠けていました。このように考えることができるようになったのは、私にとって大きな成長です。

4、 相談できる仲間がいる
処理する案件数は膨大で、自分で調べただけでは、はっきりとした答えが出ない案件も中にあります。その場合、頼りになる先輩たちがいます。先輩に相談することで、共に考え、話合い、その結論をトップに諮り結論を出すことになります。こうしたことは、個人事務所ではなかなかできません。とかく先生に質問し返ってきた回答にただ従うだけになりがちです。また、お客様のニーズにも素早く応えることができるので、お客様に安心感を与えることができます。頼りになる仲間の存在は、自分の自信につながり、胸を張って仕事に取り組めます。

5、 決済や本人確認の経験を多く積むことができる
司法書士の仕事の花形は、本人確認であると私は考えています。最近は登記を行わない事務所も増えているようですが、当法人は毎日のように登記の為の本人確認があります。私も、今では自信を持って、堂々と対応ができるようになりました。
また、多くの本人確認をしていると、お客様に意思能力があるかどうか微妙なケースがあります。そのような場合、自分ひとりではどうしても不安になってしまいます。ですが、事務所の先輩に、そのようなケースの対処の仕方、心構え、基準等を教えていただきました。それは、法人の大量な案件による膨大な経験の積上げによるものです。法人に所属していなければ、絶対に知ることができなかった知識・知恵です。

6、 一国一城の主になれる
私のいまの目標は、法人支店の代理人司法書士になることです。幸いにも当社のトップは人さえ育てばまだまだ支店を出したい との考えです。独立して自分で食えるようになることは容易なことではありませんが。法人に守られながら、仲間にささえられながらであれば、私にも一国一城の主ができそうな気がします。

個人事務所、司法書士法人、どちらで働いたとしても司法書士としての経験を積むことができます。しかし、法人で働くことができれば、一流の職業人と一緒に働く機会が増えます。また、切磋琢磨しあう仲間と知り合うことができます。その出会いは、自分を大きく成長させます。自分自身をさらに研鑽する意気込みのある方は、法人で働いてみてはどうでしょうか。