法人で働くことのメリット 司法書士法人A.I.グローバル 代表社員 西山善行

平成29年6月27日 コラム

法人で働くことのメリット

司法書士法人A.I.グローバル
代表社員 西山善行

「独立開業!」
司法書士を目指すときにまず考えることかと思います。なんとか司法書士に合格し、当初考えていた独立に向けてそれぞれ今後のライフプランを考えるかと思いますが、法人で働くことが一番の近道であると私は考えます。

理由は2つ
 理由① 案件への取り組みが早い
私が法人に入ったばかりのころ、個人事務所で1年間働いた後、弊法人に転職してきた先輩司法書士がこう言っていました。
「前の事務所では、1年間戸籍の取得と抹消の申請書作成しかしていません」
個人事務所の教育体制を批判するものではないことをあらかじめ申し上げておきますが、法人ではより多くの職員が仕事をしており、業務に関するサポートや教育については、多くいる仲間の分だけ、早く受けることができると感じます。金消契約・不動産売買の立ち合いなどの業務において、サポートをする仲間がいてくれるから、早い段階から触れることができるのは法人の特徴ではないかと考えます。

 理由② 支店の長になることも ≒ 独立
独立開業すると、当然ながら、事務所の売り上げに対する責任はすべて自分で負わなければなりません。アルバイトさんを雇用するのかどうか、どこに営業をかけに行くのかなど、様々なことを対応しなければなりませんが、その結果を思う存分享受できる部分が独立開業の魅力なのでしょう。
一方法人においてはどうでしょうか。法人では支店を開設することができます。支店には当然ながら支店長(代表者)が必要になります。支店における代表者は、売上などの責任を持つことになりますが、同時に人事採用や営業活動に関しては、支店長の裁量に任されています。ある意味、独立開業とほぼ同じとも言えます。
また、法人において新規出店をする際は、法人の資金で出店に関する経費をまかなうため、独立開業に比べリスクが低いということが言えると考えております。当然ながら、成功した際の果実は独立した時の方が大きいかもしれませんが、司法書士業界を取り巻く環境の中で、法人で支店長になるというのもクレバーな選択肢だと考えます。
ちなみに、弊社は、現在11拠点を全国各地に設けております。年初には、全国から支店長が集まり、日々の努力を皆でねぎらっています。そこでの会話や交流はかけがえのない瞬間であり、言葉で表現するのが難しいくらいの喜びを毎回感じており、その年の活力になっていると思います。

ここまで「独立開業」にフィーチャーして記述してまいりましたが、特に独立を考えていらっしゃらない方にとっても、法人でのお仕事には魅力が多くあります。

キーワード「極める」
数あるお取引先様からのご依頼の中には、非常に難解な案件が来ることもあります。ここで法人のメリットですが、先ほども申しました通り、法人ではより多くの仲間が在籍し相互にサポートする体制を構築しております。そのため、難解な案件が来たとしてもそれを片手間で取り組む必要はなく、そこに没頭してもらうという体制があることも法人ならではのメリットと考えます。結果として、その道のプロフェッショナルになることも可能でしょう。司法書士業務というのは、主に「登記」という分野を深く掘り下げてサービスを提供するお仕事として認知されています。登記も大きく分けて、不動産登記・商業登記と分けることができます。しかし、それぞれ過去の先例など、まだまだ知らないものが多く存在している業務であるので、極めることは困難かもしれませんが、オンリーワンを目指すには最適な環境が整っているのも法人の魅力と考えます。

キーワード「安定」
独立をしたら、売り上げに対して責任を持たなければならないということは上述いたしました。法人では、その規模を活かした営業活動をすることで、多くのお取引先様が存在しているのも事実です。多くのお取引先様のおかげで、毎月ある程度のお仕事は安定的に受注しております。

最後に
私は平成19年に司法書士試験に合格し、弊法人に所属して現在に至っております。使用人司法書士・社員司法書士・支店長代表司法書士を一通り経験した人間として感じた事ですが、法人には、安定と挑戦がバランスよく混在していると感じております。
例えば、とある支店が絶好調、もう一方の支店は、売り上げが爆発的に上がるきっかけをつかんだものの、そこに至るまであと半年必要ということがよくあります。このような場合、おそらく一人で開業していたとすると、あきらめなければならなかった業務も、法人である私たちは互いに支えあう事で、困難な局面も成功に導くということが可能であると感じることがよくあります。
引き続き、弊法人において、「あらゆる挑戦を続け、お客様を大切にする」ということを両立させ、実現させてまいりたいと考えております。

以上